2008年07月23日

コンタードキーボード修理

何日か前にコンタード(Contoured)キーボードを買われたPさんからメールが入った。Bキーが引っかかるそうで、ときどきBBB…となるとのこと。
多分キースイッチの不良で、今あるテスト用コンタードのキースイッチと交換すれば直るだろうと思った。
Kinesis社を訪問したとき、製品輸入の際に修理パーツも一緒に送ってくれると約束したのだが、送ってもらうのを忘れたため、修理パーツは現在手元にない。

テスト用コンタードのケースを分解し、プリント基板から出ているキースイッチの足からハンダ吸取機でハンダを取り除いた。
これでキースイッチが外せると思ったが、キースイッチはキーウェル(片方の手の人差指〜小指で押すキーの一組)のベースに接着剤で固定されている。この接着剤を取り除かないとキースイッチを外すことは出来ない。
キーウェルの端にあるキースイッチなら接着剤を取り除くことができるが、キーウェルの中央部に配置されたキースイッチ(SとかDとか)はどうするのだろうか?

KinesisのW社長にメールで聞いてみた。代理店でそこまでやるところはないとの回答。ネジを外してキーウェルを丸ごと交換する程度のことしかやらないそうだ。
技術力をほめられたが、一度ハンダ付けされたキースイッチを修理に使うのはすすめられないとも書いてある。確かに、一度ハンダ付けされ、ハンダ吸取機で取り外され、再びハンダ付けされると、熱が3回加わることになる。
あるサイトの情報によると、このキースイッチの寿命は1000万回となっている。マウスのクリックに使うスイッチの寿命は30万〜100万回であるから、かなりの高品質で、想像以上にデリケートなのかもしれない。

新品のキースイッチを急いで送ってくれることになり、それと交換することにした。キースイッチが届いたのでPさんのキーボードを分解した。
なんと前述の接着剤がはみ出ており、キーキャップ(文字が印刷されたパーツ)を強く押すと、接着剤に当たり、くっついてしまう。これが原因で戻りが悪くなり、引っかかっていたのだ。
はみ出した接着剤を取り除いたら、他のキーと同様の心地よいキータッチになった。

この何日かキースイッチと付き合ってみたが、確かに高品質に出来ているようだ。キータッチのフィーリングはほとんどキースイッチにかかっているのだから、当然と言えば当然だ。
故障やトラブルが生じたときキースイッチを疑う順位は、下位にした方がいいようだ。
posted by Q at 00:00| Comment(0) | 製品修理