2018年09月12日

キネシス Advantage2

久しぶりの技術担当ブログです。米国キネシス(Kinesis)社のAdvantage2キーボードについて書きます。
Advantage2.jpg
最初のアドバンテージ(Advantage)キーボードには、USBではなくPS/2コネクタが付いていました。なぜかと言うと、当時のキーボードはPS/2で接続するのが一般的でしたから。
なお、当時はコンタード(Contoured)キーボードと呼ばれることが多かったと思いますが、ここではAdvantageと呼ぶことにします。

その後Windows95が進化して、続いてWindows98が出ると、パソコンにUSBポートが備えられ、あらゆるものがUSB接続になりました。キーボードもUSB接続が当たり前になりました。

Advantageキーボードでは、内部にPS/2-USB変換LSIを追加し、心臓部であるマイコンから出力されたPS/2信号をUSB信号に変えるという方法で、USB接続に変更されました。換言すると、心臓部のマイコンは変更せずに、PS/2-USB変換LSIを追加し、PS/2信号をUSB信号に変えるという方法でUSB接続になりました。
言わば応急処置的なしくみでUSBに対応していたのですが、これにはワケがあります。

読者の多くはご存知だと思いますが、Advantageキーボードには、リマップ(キーの場所を入れ換えること)、マクロ、Macモードへの切り換え、キーパッドレイヤーへの切り換え、埋め込まれたテンキー、Dvorak配列への切り換えなど、多くの機能が備わっています。これらの機能は、心臓部であるマイコンで実現されています。

大手ではないキーボードメーカーの場合、ICメーカーが作ったキーボード専用ICを使ってUSBキーボードを作っていることが多いのですが、Advantageには普通のキーボードにはない上記機能があるため、キーボード専用ICは使えません。このため、同じマイコンを使い続けながら、USB信号を作り出す方を、ICメーカーが作った専用ICに頼ったのです。

マイコンやPS/2-USB変換LSIのスピードは、人間がキーを打つ速さとは比べものにならないほど速いので、信号変換を伴うしくみでも、まったく問題はありませんでした。
ところが、数年前、一部のWindows7パソコンとAdvantageキーボードの間で相性問題が生じてしまいました。この問題は、Advantageキーボードに追加されたPS/2-USB変換LSIで生じる相性問題だったので、Kinesis社は、別のPS/2-USB変換LSIを使うという方法でこの問題を解決しました。

しかしながら、別のPS/2-USB変換LSIをキーボードに内蔵することはできず、外付けになってしまったので、スマートな解決方法とは言えませんでした。この問題によって、Advantageキーボードはだいぶ評判を落としたと思いますし、Kinesis社は対応に苦慮しました。日本の正規代理店である我々(エジクン技研)も、変換LSIの交換作業に追われる日々が続きました。

そして、ついに登場したのがAdvantage2キーボードです。
Advantage2キーボードは、USB信号を出力する新型のマイコンを搭載しています。従って、相性問題は根本から解決しました。

そもそも、我々を苦しめた相性問題は、それまで正常に機能していたPS/2-USB変換LSIを考慮せずに、パソコン内のUSB処理部やWindowsが進化してしまったのが原因です。そのPS/2-USB変換LSIがマイナーな存在だったのでしょう。

このような妙な進化が生じない限り、相性問題は再発生しません。Advantage2キーボードが使っているマイコンは、かなり普及しているタイプで、USB機能の大部分はマイコンに備えられたハードが実現していますから、同様の相性問題が生じる可能性は格段に低いはずです。
皆様、Advantage2キーボードを安心して使い続けて下さい。

次回は、Advantage2キーボードの日本語配列モデルの開発について書きます。これにはエジクン技研が深く関わっています。
posted by Q at 11:36| Comment(0) | Kinesis
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